Pythonプログラムを配布したいけど、実行環境がなくて困ることありますよね?それぞれのPCにPythonをインストールするのも手間だし、かといってpyinstallerでexe化するとファイルが重くなることも、、
そこで登場するのがEmbeddable Pythonです。Windowsでしか使えないという制約はあるものの、フォルダをコピーするだけでPython環境をまるっと配布できる便利な環境です。
今回はEmbeddable Pythonのインストール方法と環境を構築する方法を紹介します。
Embeddable Pythonのダウンロード
まずは下記サイトからEmbeddable Pythonをダウンロードしてきます。任意のPythonバージョンでWindows embeddable packageをダウンロードします。大抵の場合は64bitが該当すると思います。
https://www.python.org/downloads/windows/
ダウンロードしたら、zipファイルを任意の場所で解凍します。これでEmbeddable Python環境のベースができました。
pipを使えるようにする
Embeddable Pythonをダウンロードしただけではpipを使うことができず、ライブラリを使うことができません。なので次のステップではpipを使えるようにします。
python〇〇._pthの編集
まず準備として、python〇〇._pthを編集します。〇〇にはダウンロードしたPythonのバージョンが入ります。例ではPython3.10をダウンロードしたので、python310._pthとなっています。
デフォルトでコメントになっているimport siteの#を消します。
python310.zip
.
# Uncomment to run site.main() automatically
import site
get-pip.pyの実行
以下サイトにアクセスし、get-pip.pyをEmbeddable Pythonのディレクトリに保存します。ブラウザからCtrl+sで保存できます。
https://bootstrap.pypa.io/get-pip.py
コマンドプロンプトを開き、Embeddable Pythonのディレクトリをカレントディレクトリにします。以下のコマンドでget-pip.pyを実行します。
python get-pip.py
このときすでにPythonがPCにインストールされており、Pythonを環境変数に登録している場合は、間違いなくEmbeddable PythonのPython.exeが起動しているか確認しておいたほうがよいです。
pipをインストールした後、python -m pip listでパッケージの中身をみて確認しておきましょう。Embeddable Python環境で動いていれば、他のパッケージは一覧に表示されないはずです。
pipをインストールすると、Embeddable PythonのディレクトリにLibとScriptsフォルダが作成されます。
これで実行環境が整いました。あとは必要なパッケージをインストールし、メインのプログラムを用意して自由に使うことができます。
配布する場合もEmbeddable Pythonのディレクトリ以下をまるごとコピーするだけでどこでも動きます。
まとめ
Embeddable Pythonのインストール方法と環境を構築する方法を紹介しました。コピーするだけで特別な環境構築の手順もないので、ユーザにPythonプログラムを提供する場合に便利です。
失敗したらフォルダを消せばいいだけなので潰しが効くのもメリットです。
Embeddable Pythonで配布用の軽量な環境を構築しましょう。
ではでは👋