【ネットワーク】LANの通信方法をまとめる

もはや生活インフラとして欠かすことができないインターネット。インターネットを使用するためには、ネットワーク網が必要です。

そこで出てくるのがLANです。LANという言葉は広く浸透しているように思いますが、実際はどのように情報のやり取りをしているのでしょうか?

今回は、そんなLANの仕組みをまとめました。

LANとは

LAN(Local Area Network)とは、ネットワークを物理的に形成するもので、TCP/IPにおけるデータリンク層の代表的なプロトコルです。

データリンク層とは、「隣接ノード間で、データを誤りなく伝送する機能」を提供する仕組みです。

インターネットでやり取りされるデータは、必ずLANを通ることになります。

LANにはケーブルを有するLANと無線LANがあり、それぞれでデータの伝送方法が異なります。

その通信方法や、イーサネット(有線LAN)、無線LANについてもう少し詳細をまとめていきます。

通信方法

LANのプロトコルは、媒体アクセス制御方式(Media Access Control:MAC)と呼ばれるものです。

この方式はアドレス指定と多元接続の制御機能を持ち、複数のノードやターミナルがネットワーク上で通信可能になります。

つまり、これのおかげで複数のパソコンとかスマホとかがインターネットで繋がるということです。

有線LANでの主要なMACとしてCSMA/CDが、無線LANの主要なMACとしてCSMA/CAがあります。以下にその特徴を解説します。

CSMA/CD方式

Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection の頭文字を取ったものがCSMA/CDです。

無理やり訳せば、「伝送感知多重アクセス/衝突検知」といったところでしょうか。このプロトコルは、有線LANで用いられます。

CSMA/CDにおける通信手順は、以下の3つです。

  • 通信開始前に一度受信モードになり、他のホストが通信しているかを確認する(Carrier Sense
  • 複数のクライアントは同じ回線を共用する。他のクライアントが通信していなければ、自身が通信を開始する(Multiple Access
  • 複数の通信が同時に行われ、送出したフレームが衝突した場合、ランダムな時間待機した後に再送する(Collision Detection

LANという物理的な回線を使うからこその「衝突検知」という機能が備わっています。

複数のノードがほぼ同時にフレーム送出を行うと、フレームの衝突が生じます。衝突を検知したノードはフレームの送出を停止し、ジャム信号と呼ばれる他のノードに衝突を知らせる信号を送出します。

フレーム衝突のしくみ

衝突が生じた場合、ランダムな時間待機してから再度フレームを送出するため、他のクライアントと待機時間が一致して再び衝突するというリスクは少ないです。

一方、使用率が高いネットワークにおいては衝突回数が増加してしまい、伝送時間にロスが生じてしまいます。

CSMA/CA方式

Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidanceの略称がCSMA/CAです。Collision Avoidance(衝突回避)がこのプロトコルの特徴で、無線LANで用いられる方式です。

無線LANでは決まった回路をフレームが通るわけではないので、衝突を検知できません。なので各ノードでは、一定期間回線が空いていることを確認してからフレームを送信するといったように、フレームの衝突を回避するような制御を行います。

受信側のノードは、フレームを受信した場合に確認応答(ACK)を返します。送信側は、ACKが返ってこない場合にはフレームを再送信します。

CSMA/CAでは、送信前に必ず待ち時間が必要になります。そのため、必ずオーバーヘッドが生じてしまいます。

有線LAN(イーサネット)

イーサネット(Ethanet)とは、有線LANと呼ばれるものの正体です。ネットにつなぐ物理的な線=イーサネットと捉えましょう。

イーサネットには様々な規格がありますが、一般的なイーサネットの規格では1Gbps、最大100mまで伝送可能です。企業のサーバなどで使われるような質の高い規格では10 ~ 100Gbpsの通信速度をサポートします。かなり高そうです。

最大伝送距離があるので、それ以上の間隔で通信を行う場合は、ハブやリピータを用います。

無線LAN

無線LANにも様々な規格が存在します。最も有名なものとしてIEEE 802.11があります。Wi-Fiはこの規格を使用したデバイス間の相互接続が認められたことを示す名称(登録商標)です。

IEEEE 802.11はさらに細分化されます。代表的なものを以下の表にまとめます。

無線LANの規格

また、近距離での無線通信にもちいるBluetoothは、IEEEE 802.15規格を用いています。

無線LANでは物理的な回線の接続を行わないため、不正アクセスへの対策を講じる必要があります。

無線LANでは、正規のMACアドレスをアクセスポイントに事前登録します。これによって、許可された端末のみ通信することができるようになります。

この仕組みをMACアドレスフィルタリングといいます。

SSIDとは?

Service Set IDentifier(SSID)とは、IEEE 802.11におけるネットワーク識別子です。

最長で英数字32文字のSSIDは、無線LANのアクセスポイントに設定します。利用者は、SSIDを指定することで接続するアクセスポイントを選択します

SSIDは親機になりうる端末すべてが所有しています。なので、無線LANルーターだけでなく、個人のモバイルルーターやスマホのテザリング機能など、身近なところにもSSIDは設定されています。

まとめ

LANの通信方法についてまとめてきました。通信手段に応じてそのプロトコルは最適化されています。

また、LANの質自体も年々向上しているので、かつてでは考えられないような大容量通信も可能になりつつあります。

今回紹介した中では、無線LANの知識などは、日常でも役立つ(?)かもしれないので、知っているといいことがあるかもしれませんね。

ではでは👋